geographica を無視して迷走

May 14, 2018
山中一泊の予定で2年ぶりの谷にイワナ釣りで入る。
2日目の天気が気になったが・・・
早朝6時、出発の着替えをしていると、地元の釣り人3名が河原を歩いて上ってきた。挨拶を交わし釣り上る許可を求めてきた。
「どうぞ。」普通なら先着順だろうが、我々2人はこの谷で釣る気はないのだから。「もっと上流で釣りますから。」余裕で笑みが漏れていたかもしれない。
2日分の食料、携帯、カメラ、寝袋、エアーマット、ガス、着替え最小限にしてもかなりリュックは重くなっていたが、期待度が大きすぎて最初は、この重みも苦痛ではなかった。
4時間ほど小さな沢を上って行く。これが大失敗の始まり・・・
沢が二手に分かれ、「右だ、左だ」記憶に頼って上り続け、スマホの地図で確認すると方向が違っていた。「戻ろうか?」これが正解なのに「ここまで来て。」危険な所を過ぎて戻る勇気がなかった。
尾根に上がることを提案、しばらくすると、どうにもこうにも登れない、仕方なくローブで吊り上げてもらう。この辺りからリュックの重みが身に染みてきた。
ここから迷走!!!
位置も方角も目的地も確認できるが・・・
苦労して、尾根に上がるが、大木の下は土砂が流れてしまっていて、大きな穴が空いている。クマが居ても不思議でない。
案の定、クマの糞を多数発見そんなに古くは無い。「笛を吹け。」
クマの遊び場・・・ 爪のひっかき傷 でも景色のいい場所だった。
藪をかき分け、倒木を乗り越え、沢への下り口に到着 予定をはるかに超過して午後3時 「まいったな。」
急いで、降りるが、降り切ると、うっすらとT氏の姿が見えた。相当心配していたようだ。
結局、1日目竿を出すのを諦め、テント設営、たき火の準備。
2人とも、疲労で食事を摂ることもできなかった。コーヒー1杯を飲んで、クマ除けに爆竹を2発、たき火を絶やさないように大目に燃やし就寝
疲労でぐっすり
ところが、2日目、午前1時過ぎに、テントを叩く雨の音で飛び起きる。「降り始めるのが早すぎるよ。」
外に放り出していた荷物をテントに入れ、もう少し寝ることにした。
起きると、外はもう明るい、「でも雨が強まりそうだから300mか400m釣りあがって帰ろう。」
やはり、この谷は期待を裏切らない。この短い区間で尺イワナを含め10匹釣って私は納竿
なぜなら、重くなるから。
T氏は帰りの沢を見落として、さらに上流へ、20分ほど経過してから慌てて戻ってきた。それほどに魅力がある谷だ。
魚をリュックに仕舞う頃には雨足が強くなっていた。リュックが雨を吸ってさらに重く辛い。
雪渓をいくつも乗り越え、雨で足を滑らせ、落ちれば即死の場所をロープで吊り上げられ下り口に
やっとの思いで元の谷にもどったら増水、土砂崩れ、谷水が茶色く濁っていた。
まだまだ、車に戻るまで大変な苦労を・・・
2人の結論 もうこの谷に入るのはこれ限り、年齢的に限界を超えている。
よくぞ、生きて帰った!